社会保険労務士福留事務所(Tome塾主宰者) 


  平成24年度におけるその他の法改正

.国民年金保険料免除について
(1)保険料免除に係る所得制限条件国民年金法90条、90条の2、90条の3は変わらず)
 「前年の所得が、一定額(3/4免除は78万円、半額免除と学生納付特例は118万円、1/4免除は158万円) + 38万円(老人控除対象配偶者又は老人扶養親族であるときは48万円、特定扶養親族であるときは63万円)×扶養親族者数以下であること」 
 ここで、特定扶養親族とは、所得税法上では「19歳以上23歳未満の扶養親族」をいいい、平成22年度から、16歳以上19歳未満の扶養親族は特定扶養親族からはずされていた。
⇒取扱い方法の変更により、国民年金保険料の免除申請の場合に限って、「16歳以上19歳未満の扶養親族」も特定扶養親族と同様に取り扱うことに。
 (半額免除と学生納付特例については24年4月1日から、 1/4免除と3/4免除については、24年7月1日から)
(2)20歳前傷病による障害基礎年金に係る所得制限条件(36条の3、この部分は変わらず)  
 「前年の所得が、3,604,000円超4,621,000円以下の場合は2分の1停止、4,621,000円超過の場合は全額停止」
 ここで、所得からの控除額については、国民年金保険料免除の場合と同じ。
⇒取扱い方法の変更により、「16歳以上19歳未満の扶養親族」も特定扶養親族と同様に取り扱うことに。(平成24年8月1日より)
(3)配偶者からの暴力を受けた被保険者の保険料の免除(平成24年7月9日より)
 国民年金保険料の特例免除に関する厚生労働省令で定める事由(施行規則77条の7の改正)
 @災害により、住宅、家財その他の財産の被害額がおおむね1/2以上であるとき
 Aその年度あるいは前年度に失業したとき、のほか、
 B(新設) 被保険者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律1条に規定する
  配偶者からの暴力を受けたとき、
  ただし、次に掲げる者が、それぞれ当該各号に該当するときに限る。
 イ被保険者及び世帯主(被保険者又は配偶者が世帯主である場合にあっては、被保険者):
   被保険者の保険料を納付することが困難と認められること。
 ロ配偶者: 「配偶者からの暴力」を行った者であること。
⇒保険料の免除を申請するには、原則として、被保険者本人、配偶者、世帯主いずれの所得も基準値以下である必要があるが、いわゆるDV被害者については、
 被保険者がDV被害者、その配偶者がDV加害者でかつ住居を異にしている場合、以下の基準を満たせば、特例的に国民年金保険料が免除となる
・DV被害者が世帯主又はその配偶者が世帯主の場合は、本人の所得のみが基準値以下
・配偶者以外の者が世帯主で本人がこれと同居の場合は、本人と世帯主いずれの所得も基準
 値以下
・配偶者以外の者が世帯主で配偶者が同居している場合は、本人の所得のみが基準値以下 
 免除期間は、毎年7月から翌年6月まで

2.国民年金基金加入対象者の拡大 (附則5条12項、13項)
 平成25年4月1日からは、国内在住の60歳以上65歳未満の者であって国民年金に任意加入している者は、国民年金基金の加入員になることができるようになる。