社会保険労務士福留事務所(Tome塾主宰者) 


 うちのカミさんの年金国外転出による資格喪失) 
 
 今回もうちのカミさんの年金の話です。
 ほとんど家事専門であるので、さしたる波乱もない人生(と私は思っていますが、本人はどう感じているか確かめていません)ですが、結婚前の厚生年金時代のことは前回通りとして、その後も結構、年金の歴史に振り回されているようです。
 物語の発端は、結婚後しばらくして、私が仕事でアメリカにいくことになった時から始まります。そのころ、生まれてまもない長男がいましたので、1歳検診が終わるまでの間、カミさんは実家に身を寄せていました。そのときに、何を思ったのか国民年金に加入を申し出て、受理されたようです。
 その翌月、彼女は息子と出国することになり、杉並区役所にいってアメリカへの転出届を出しました。
 帰国後、世田谷に住居を求め、今度は私が転入届のために区役所へいきました。アメリカには、住民票とか戸籍の登録制度はないので(そのかわり、Social Security という背番号をもらいます)、パスポートさえあれば転入 手続は容易です。しかしながらそこで、思いもかけない言葉を耳にしました。
 「奥様は国民年金の被保険者資格を失っています」
 いわゆる、国内居住要件を満足していないということらしい。
 保険料は前納(1月で800円弱)してあったのですが、「納付期間変更通知書」により、この金額は、再取得後の保険料(1月900円)に当てられることになりました。差額分650円も別途納付しました。
 この結果、48年11月7日取得、48年12月2日喪失、49年7月12日取得と記録にあります。
 新法によれば、一度資格を失っても、転出する際の区役所が相談窓口になって、親戚・知人の力を借りるか、「日本国民年金協会」に依頼することにより、直ちに再加入することができるようです。(15年の国民年金法問1Dに出題されています)
 よってその後は、海外に転出する人も心配いりません。もっとも、国内に住民票を置いたまま、従って、住民税の納付義務も果たすという几帳面な人の方が多いようです。
 その後も彼女は、2回喪失しています。1回目は61年4月1日という歴史的な日で、任意加入者から3号被保険者への同日得喪、2回目は15年6月24日、私の退職日の翌日で、1号に同日得喪しています。
 国民年金1号と3号の間の種別変更には、結構さまざまな物語をはらんでいることがあります。
 そういえば、今年の年金改正の目玉のひとつに、3号被保険者の届出遅延の救済がありますね。

(No3.平成17年4月28日)

 

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