社会保険労務士福留事務所Tome塾主宰者


 記録不整合が生じやすい例(過去の事例のとどまらず、今後も注意すべきケース)

 3号被保険者とは、
 @第2号被保険者(厚生年金の被保険者あるいは共済年金の組合員・加入者)の配偶者であって、
 A第2号被保険者の被扶養者(年間収入が130万円未満、健康保険の被扶養者とほぼ同じ基準)であって、自らは2号被保険者でなく、
 B20歳以上60歳未満のもの
 記録不整合が生じるのは、当初は3号被保険者であったが、何らかの要因で上記の@あるいはAの条件が満たされなくなったにもかかわらず、これに必要な届出をしなかったことによる。
 なお、この場合の届出は、本人が14日以内に市区町村に赴いて「国民年金被保険者種別変更届」を提出しなければならない。
 以下、話を分かりやすくするため、妻が3号被保険者であった場合の例をあげる。
 パターン1:夫が2号被保険者でなくなった
@  夫が定年になり退職した。
・夫が60歳未満であれば夫は1号被保険者、妻も1号被保険者となるところ、夫のみが種別変更届を市区町村長に提出したが、妻はしなかった(夫だけが届出をすればOKと思っていた)
 あるいは、夫、妻ともに届出をしなかった。
・夫が60歳以上であれば、夫は1号被保険者ではないので届出は不要であるが、妻は1号被保険者となり、届出が必要であるにもかかわらずしなかった。
@’  夫が退職した、自営業者になった等々
 上記@に同じ。

 注:上記@、@'の場合
 ・夫が退職後、健康保険の任意継続被保険者、特定健康保険組合の特例退職被保険者になり、妻がその被扶養者になったとしても、国民年金の3号被保険者とは認められない。

A  夫が65歳になってもまだ在職中であるが、夫には老齢厚生年金の受給資格があるとき
・夫は厚生年金の被保険者であるが、国民年金の2号被保険者とは認められない。
 この場合、妻が60歳未満であれば(健康保険の被扶養者であっても)、妻は1号被保険者としての届出が必要である。

 パターン2:妻の収入が被扶養者の限度(年収130万円)以上となった。

 @

 夫が2号被保険者であったとしても、妻の年収が130万円以上となることがわかったときは、妻は1号被保険者としての届出が必要である。
⇒130万円とは、税込みの収入金額であって所得ではない。
 叉、雇用保険法による失業後の基本手当なども収入に含まれる。
 注:その後、妻の年収が130万円未満になった場合は(かつ夫が2号被保険者であること)、所得の証明などにより被扶養配偶者であることの確認を受ければ、確認されたその期間は3号被保険者となる(3号不整合期間ではない)