年金額確定の仕組み(平成25年度)

社会保険労務士福留事務所(Tome塾主宰者) 


 被保険者資格の拡大(28年度改正分も含む)
1、短時間労働者の被保険者資格に関する規定の整備について
@いわゆる4分の3ルールの明確化
 短時間労働者を被保険者と認めるか否かは、内かん(内部文書)に従うものとされてきたが、今後は適用除外者に関する規定によるものに改められた。
・内かんにあった「1日又は1週の所定労働時間及び1月の所定労働日数が通常の就労者のおおむね4分の3以上」が
 「1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上に」(1日の所定労働時間は関係ないことに、また「おおむねは削除)
内かんにあった、「上記に該当しない者でも被保険者として取り扱うことが適当な場合がある場合」は廃止

A短時間労働者に関する適用除外の要件を新設(厚生年金保険法12条5号)
 4分の3基準に該当せず、かつ、一定の要件に該当しない者を適用除外とすることに。
⇒このことを逆にいえば、4分の3基準に該当しない者であっても、一定の要件に該当する者は被保険者になりうることに。
 
 短時間労働者の健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準
(H28.05.13保保発0513第1号/年管管発0513第1号)
 平成28年10月1日以降、4分の3基準を満たさない者で、次の@からDまでの5要件を満たすものは、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うこととする。
@1週間の所定労働時間が20時間以上であること
A同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること
B報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く)の月額が8万8千円以上であること
C学生でないこと(夜間部学生はOK)
D特定事業所に雇用されていること
 
ここで、特定事業所とは 「事業主が同一である一又は二以上の(法人番号が同じ)適用事業所であって、雇用されている通常の労働者及び4分の3基準を満足する短時間労働、つまり被保険者の総数が常時501人以上の適用事業所」
 つまり、平成28年10月1日以降は、被保険者数が501人以上の適用事業所にあっては、4分の3基準を満足しない短時間労働者であっても、上記の@からCの要件を満足している者は、被保険者としなければならない。
注:平成28年10月1日以前から被保険者であった者は、上記の条件を満たさない場合でも、同じ事業所に雇用されている限り、被保険者である。(資格喪失届を出すには知恵がいる) 

(3)特定適用事業所以外に雇用されている短時間労働者について
 平成29年4月1日以降は、被保険者数が501人未満の適用事業所において、4分の3基準を満足しない短時間労働者であっても、上記の@からCの要件を満足している場合は、労使の合意により被保険者とすることができる。

注意すべき点
・年収130万円未満であっても、被保険者要件に該当する場合は、健康保険被扶養者・国民年金3号被保険者ではなく、健康保険・厚生年金保険の被保険者となる。
・報酬の月額が8万8千円以上とあるが、算定基礎届などにおける報酬月額とは、範囲が異なる。
 (最低賃金法に従って、時間外、休日作業、深夜作業割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などは含まれない)
・最低賃金法による報酬の月額が8万8千円以上であって、厚生年金保険法による報酬月額が9万3千円未満であるときは、標準報酬月額は新しく設けられた8万8千円とされる。
・報酬支払基礎日数の基準は11日となる。