年金のお話(第5話)

社会保険労務士福留事務所(Tome塾主宰者) 


戻ってきたよ40年前の年金 

 第1回の話の続きです。
 私は40年前に民間会社に転職したときに、1年7ヶ月間続いていた公務員共済組合の組合員資格を失いました。そのとき、わずかばかりですが、一時金を受けとっていたために、年金のこともあきらめていました。
 今回、偶然にも年金源資がまだ残っていることがわかり、請求の手続を始めたところまでは、これまでにお話した通りです。
 必要な書類の取り寄せなどに時間がかかりましたが、このたび、「退職共済年金の年金証書」が届き、程なく年金も送金されてきました。
 ついに、40年前、正確には38年前に、組合員資格を失った年金が戻ってきたのです。
 当時の俸給(公務員では給与のことをよくこういいます)は2万円台、よって、保険料も千円台であったはずです。葉書が7円、手紙が15円の時代です。
 しかし、驚くべきことには、年金額の計算の基礎となる平均標準報酬月額は205,249円となっています。モノの本によれば、昭和61年3月31日以前の標準報酬月額は昭和60年の俸給表を基礎とし、組合員期間の年数に応じて補正し、その後は5年毎の財政再計算のときに再評価して決めるらしい。詳細は不明ですが、現在の初任給レベルと比べても、大きくは 、ずれていないような気がします。とにかく、この額をもとに年金額が計算されるのです。
 貯蓄や民間会社の保険、個人年金などであれば、第1次、第2次の石油ショックによる超インフレの影響などをまともに受けたであろうし、賃金アップによる評価が替えもありません。利息はつきますが、長期間にわたる大きな変動にはとても対応しきれません。
 これまでの「物価変動に強い、目減りのしない年金」は、政府、事業主、被保険者全員のたゆまざる努力の賜物です。
 しかし、今後ますます少子高齢化が猛スピードで進展していくにつれて、先行きが怪しくなってきました。年金に対する信頼感、安心感も大きく揺らいでいます。
 もとより、個人の力で手に負えるような代物ではありません。ましてや、年金をもらう世代にまわってきてしまった今となっては、大したことはでき ないが、せめて、制度運用が適正かつ公平になるように、そしてまた正確な情報が伝わるように、心がけていきたいと思っています。

 年金額のチェック(ここはおまけです) 
 諸元 加入月数19月: 平均標準報酬月額:205.249円
    生年月日:S17年1月生(生年月日による乗率読替えあり)    
 @報酬比例分(60歳から) :8.06*205.249*19*1.031*0.988 = 32,017
 A職域加算部分(60歳から):0.67*205.249*19*1.031*0.988 =  2,661
 B定額部分(61歳から65歳まで): 1.676*1.170*19*0.988  = 36,810
 C経過的加算(65歳から):  36,810-794,500*19/480       =  5,361
 D老齢基礎年金(65歳から):794,500*19/480  =  31,449  ≒ 31,400
 よって、  
 65歳到達まで  共済年金 @+A+B

71,488 ≒ 71,500円

 65歳以降  共済年金 @+A+C

40,040 ≒ 40,000円 ⇒ 40,100円 

  国民年金(上乗せ加算分)D

31,400円

注:年金証書にはこの額が記載されている。端数処理により、65歳前後で年金額に100円の差異が出たことを考慮したものと思われる)
No5.平成17年5月29日)

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