社会保険労務士福留事務所(Tome塾主宰者) 


 戻ってくるか40年前の年金

 私は現在、老齢厚生年金を受給しています。
  61歳で会社をやめたとき、約1年間支給停止になっていた年金を裁定請求しました。
 神田にある勤務先管轄の社会保険事務所にいったところ、親切丁寧に教えていただき、コンピュータのデータもしっかりそろっていそうなので、すぐに受給することができホッとしました。
 お陰で、その頃抱いていた密かな疑問も忘れてしまいました。          
 
 ところが、平成16年に社労士の資格を取った頃から、またこの疑問がムクムクと頭をもたげてきたのです。
 実は私には、36年間勤めることになった今の民間会社に入る前に、ある地方の国立大学に助手として1年7カ月勤務した経験があります。
 退職するとき、脱退一時金などの面倒をみてくれた年配の事務官が「今は興味ないかも知れませんが」と申し訳なさそうに言って、何やら注意書きが並んでいる紙切れを渡してくれました。
 「一体、あれは何だったんだろうか?」 昔のことをやたらに懐かしがるこの年になって、いつのまにか失くしてしまったその小さな紙切れに、妙な郷愁を覚え、好奇心さえ沸いてくるのです。
 
 思い切って、国家公務員共済組合連合会にメールを出してみました。
 驚いたことに、翌日には返事が届きました。 「あなたには、共済年金の源資がまだ残っています」
 直ちに、裁定請求書類一式を大学の共済組合から送ってもらい、住所地管轄の社会保険事務所にいって、厚生年金の加入期間確認通知書の交付を受けるなど、手続を進めました。
 退職時には一時金を4,602円受け取っているようです。
 その利子が積もりに積もって27,703円にもなり、これは返済しなければなりせん。
 しかしながら順調にいけば、死亡により受給権が消滅するまで、退職共済年金を厚生年金と併わせて受け取ることができます。
 しかも60歳までさかのぼって貰えそうです。
 年金額はまだわかりませんが、とにかく、40年前に支払ったまま、失ったとばかり思いこんでいた年金が、「請求するという行為」と多くの人の力によって戻ってくるのです。
 
 社会保険庁による厚生年金保険と、各省庁による共済年金の間にはデータの共有化が進んでいないこと、よって25年間という受給資格要件を審査するにも、お互いに、相手方の加入期間確認通知書による証明が必要なことなども実感してわかりました。
 そういえば、小泉首相が「まず厚生年金と共済年金の一元化を」といっていましたネ。
 

(No1.平成17年4月11日)

 

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